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    『定例会便り 第2号』

    発行者 シルヴィア・スミス

    発行所 福音総合研究所  

    ■年4回発行の予定です。

    ■登録会員には各号を1部無料で郵送します。(但し、3回連続で定例会を欠席された方への郵送サービスは停止されます。)

    ■ご希望の方は福音総合研究所までご連絡ください。(実費にて1部100円+送料) 定期購入をご希望の方は、その旨お申し出ください。

     


    第2号『定例会便り』より(2000年9月1日発行、No. 2000-7-2)

    第二回定例会 「研究テーマ」講演より

    「世界観と教育」
    Worldview and Education

    講師:ラルフ・A・スミス
    2000年7月1日
    武蔵野市中町集会所2F

    *以下は日本語による講演の英語要約版とその和訳です。

    The basic academic function of education is the communication of a worldview to the next generation. Every subject that a child studies is, or should be, part of an integrated view of the world. When a young person is fully educated, he should have a broad perspective on the world that enables him to think clearly and creatively, to evaluate and judge with discernment, to chose what is right with confidence.

    Modern education does not and cannot provide this kind of education because the modern world does not have a unified view of reality. In our day, every academic subject has its own little sphere of interest, cut off from the ultimate issues of life and from other disciplines. Indeed, within any single disciple, there are schools of thought which are mutually contradictory, not merely at the level of detail, but in terms of basic worldview presuppositions. We live in a time in which men are confused about the very nature of man and the world. How can men who do not know who and what they are educate the next generation?

    教育の基本的な学問的機能とは、次世代へ世界観を伝達することである。子供たちが勉強する各教科は、統一された世界観の一部であり、またそうでなければならない。学業が完了した若者とは、広い視野をもってこの世界を捉えることができ、ゆえに明晰かつ創造的に思考し、また識別力をもって評価・判断し、確信をもって義を選択することができる人間をいう。

    現代の教育は、このような教育を提供しておらず、また提供することもできない。なぜなら、今日の時代は、現実に対する一致した見解を持っていないからである。どの教科も、独自の狭い領域にとどまり、他の学問分野から、また人生の究極的課題から切り離されている。現実に、どの学問分野の中にも相矛盾する思想の学派があり、その矛盾は単に詳細のレベルにとどまらず、世界観の前提など根本部分に及んでいる。人間と世界の本質についてさえ、人々が混乱している時代に我々は生きているのである。自分たちが何者であるのかを知らない人たちが次世代をどうして教育することができようか。


    I. What Is a Worldview?

    A worldview is, as the word indicates, simply the way one views the world. Everyone has a worldview, whether they have thought much about it or not. Our worldview is a network of presuppositions and beliefs about God, the world, man, history, the meaning of good and evil, of life and death, just to mention some of the basic issues covered.


    I. 世界観とは何か

    世界観とは、その言葉の示すとおり、人が世界を見る見方のことである。それについてよく考えたことがあろうとなかろうと、すべての人は何らかの世界観を持っている。我々の世界観とは、基本課題である神、世界、人間、歴史、善悪の意味、生と死の意味などについての前提と信条から成る一つのネットワークなのである。


    II. The Necessity of a Worldview in Education

    Clearly education always involves inculcating a worldview. Children are taught who and what they are through the study of history, biology, literature, and social studies. All of these and other courses inescapably presuppose some position on the nature of God, the definition of good and evil, the meaning of human life and history. It is not possible to discuss any of these subjects without touching fundamental worldview issues.


    II. 教育における世界観の必然性

    教育には、世界観を繰り返し教え込むことが常に伴う。子供たちは歴史、生物、文学、社会科の勉強を通して、自分が何者であるのかを教えられている。これらや他のすべての教育課程において、神の御性質や善と悪の定義、人生と歴史の意味について、何かの立場を前提とすることは避けられないことなのだ。これらの教科のいずれをとるにせよ、根本的な世界観の課題に触れずに論ずることはできない。


    III. What Is a Biblical Worldview?

    The Biblical worldview is grounded in faith in the Triune Creator (Jn. 1:1; Col. 2:3). Christians take Godユs Word as an infallible revelation of Truth, one that gives us a standard for all knowledge (2 Tim. 3:16-17). Manユs covenant relationship with God defines manユs place in the creation, the nature of sin, and the grace of God that is offered to him for salvation (Gen 1:26-28; Mk. 14:24; Lk. 22:20; 2 Cor. 3:6; Heb. 9:15; 12:24). The covenant is therefore a basic truth in the Biblical worldview.


    III. 聖書的世界観とは何か

    聖書的世界観は、三位一体なる創造主を信じる信仰に根ざしている (ヨハネ1:1; コロサイ2:3)。キリスト者は、真理の誤りなき啓示として神の御言葉を受け入れる。そしてその啓示の書はすべての知識に基準を与えるものである (2テモテ3:16-17)。契約は、聖書的世界観における基本真理である (創世記1:26-28; マルコ14:24; ルカ22:20; 2コリント3:6; ヘブル9:15; 12:24)。なぜなら、人間の神との契約関係が、人間の被造界での位置付け、罪の性質、救いのために人間に提供されている神の恵みを定義するからだ。


    IV. The Biblical Worldview and Christian Education

    The Christian worldview is communicated in at least the following four ways. First, through the Biblical story. Second, through basic life questions and the answers offered by the Bible. Third, through the symbolic system in the Bible. Fourth, through the Biblical ethic taught and practiced.

    God calls us to nurture our children in the fear of the LORD. We are to train them to love and serve Him. This includes teaching them about God Himself, the world that He has created, and themselves so that they can glorify and enjoy God. By gaining clear and deep understanding of the Christian worldview, children are taught to think and live as Christians. Many of the problems that Christians in the West have faced in the last centuries come from the fact that their basic approach to life was not Christian nor Biblical. They have sought to serve God in the wrong manner and for the wrong purposes. Greek and Roman thinking, Enlightenment thinking, and, now, even New Age thinking have influenced Christians and deflected them from the way of true service to God. The only way that the Christian Church can regain her spiritual power is for her to return wholly to Godユs Word. That means, among other things, seriously training our young to be able to think as mature Christians.


    IV. 聖書的世界観とキリスト教教育

    キリスト教世界観は少なくとも次の四つの方法で伝えられる。第一に、聖書のストーリーを通して。第二に、基本的な人生の問いと聖書の提示する答えを通して。第三は、聖書にある象徴体系を通して。第四は、聖書の倫理が教えられ、また実践されることを通して。

    神は、主を恐れるように子供たちを養育することを我々に命じておられる。我々は、神を愛し、神に仕えるよう彼らを訓練すべきである。これには神御自身について、神が創造された世界について、また彼ら自身について教えることも含まれる。それは、彼らが神に栄光を帰し、神を喜ぶことができるようになるためである。キリスト教世界観の理解において明確さと深さを増すにつれ、子供たちはキリスト者として考え、生きることを教えられていく。西洋のキリスト者たちが過去数世紀に直面した諸問題の多くは、彼らの人生に対する基本的アプローチがキリスト教的でも聖書的でもなかったという事実から来ている。彼らは間違った方法や、間違った目的のために神に仕えることを求めたのである。ギリシャ的ローマ的思考、啓蒙主義的思想、そして今やニューエイジ思想さえもキリスト者たちに影響を与え、彼らを真に神に仕える道からそらせてきた。キリストの教会が霊的な力を再び得ることができるための唯一の道は、教会が全面的に神の御言葉に回帰することである。それは、多く挙げられる課題の中でも特に、若い者たちが成熟したキリスト者として物事を考えることができるよう真剣に訓練することを意味している。

       

     

    応 答

    ■シルヴィア・スミス

    世界観とは後天的なもので、教育によって形成される。そこで、いかにして聖書的世界観をホームスクールの現場で具体的に構築していくのかが問われる。

    さて、クリスチャン・ホームで育つ子は、ホームスクールの場合でも、実際には家庭以外の場でも教育されている。例えば、三鷹福音教会の次世代の場合、幼児洗礼を受け、幼い時から神の契約の民に加えられ、地域教会の一員として、聖日礼拝に毎週両親と共に出席し、聖餐式に与り、講壇からの講解説教に聞き入り、午後には日曜学校で聖書を学んでいる。二歳児から始まる日曜学校では最初の約4年間をかけて、創世記1-11章を人類史における史実としてじっくりと学ぶ。いきなり神観、存在論、宇宙観、創造論から入り、(“自然”ならぬ) 被造界、人間論、男女の性別、家庭、夫婦制度 (一夫一婦制)、歴史観、契約、管理、職業観、等を幼い日の最初のキーワード、主要概念として学ぶ。3章に入ると、罪と罰、約束、救い、いのちと死について学び進み、大洪水、そしてバベルの塔事件、言語・人種の問題について学ぶ。さらに次の約6年間で、創世記12-50章の族長4人 (アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフ) の人物研究をする。そこでは、聖書的な歴史的進展をもって記述されている史実を順序を追ってストーリー展開させ、その人となりや信仰のあり方に親しみ、神の選び、召命、信仰のあり方、契約、人間の罪と神の救い、神の摂理、またその生涯の神学的意義・意味について学ぶ。その間並行して「ウェストミンスター小教理問答書」をも学習する。

    ホームスクールの家庭現場では、日本語 (国語)、または数学、科学 (理数系) の基本を教えればよいのだが、聖書的前提・視点 (三位一体論、創造論、契約の構造、聖書の無謬性等) に立ってそれを行なうことが聖書的世界観の構築につながるのである。だが、困難なのは、それがそのまま世界観である歴史、政治、経済、社会、芸術 (文系) の授業であろう。相互矛盾しない、ちぐはぐではない、一貫した聖書的世界観を築き上げるためには、かなりしっかりした聖書の土台、聖書の基本的知識と体系的理解が不可欠である。

    しかし、知識を学習するのは、義の生活訓練の中でなされなければならない (箴言1:7)。知識の一人歩きは真の知識ではなく、危険なことで、「知識は人を高ぶらせ、愛は人の徳を建てます」(1コリント8:1) とある通りである。子供が日常生活の営みの中で、御言葉体験を人生の原体験として経験できるよう (詩篇119:1-11)、親は導き、祈り求める。主を恐れ、心を尽くして主を愛し、主の御教えによって歩む日々のうちに、聖書的世界観が着実に構築されていくのである。

    主を恐れることは知識の初めである。愚か者は知恵と訓戒をさげすむ。(箴言1:7)

    幸いなことよ。全き道を行く人々、主のみおしえによって歩む人々。
    幸いなことよ。主のさとしを守り、心を尽くして主を尋ね求める人々。
    まことに、彼らは不正を行なわず、主の道を歩む。
    あなたは堅く守るべき戒めを仰せつけられた。
    どうか、私の道を堅くしてください。あなたのおきてを守るように。
    そうすれば、私はあなたのすべての仰せを見ても恥じることがないでしょう。
    あなたの義のさばきを学ぶとき、私は直ぐな心であなたに感謝します。
    私は、あなたのおきてを守ります。どうか私を、見捨てないでください。
    どのようにして若い人は自分の道をきよく保てるでしょうか。
    あなたのことばに従ってそれを守ることです。
    私は心を尽くしてあなたを尋ね求めています。
    どうか私が、あなたの仰せから迷い出ないようにしてください。
    あなたに罪を犯さないため、私は、あなたのことばを心にたくわえました。(詩篇119:1-11)


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