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    ローマ人への手紙講解説教集

    まえがき・序文


    まえがき

        三位一体なる神の不思議な摂理と特別な導きにより、三鷹福音教会は1981年に主の忠実なしもべラルフ・A・スミス牧師が与えられて単立教会として誕生した。当時のラルフ・A・スミス牧師は一言も日本語が話せなかった。約1年過ぎた頃、彼は、「日本で福音の働きをするなら、日本語で説教しなければ、十分に実を結ぶ働きはできない」と考えて、「今から二年後に、私は日本語で説教を始める」という大変な決意をした。主の特別な恵みにより、日本で神の御言葉を伝えようとする彼の強い使命感を神が祝福してくださり、その日からちょうど二年後の日曜日の礼拝で、スミス牧師は日本語でメッセージを語り始めた。大きな驚き、そして、主の御業の偉大さを覚えさせられる出来事であった。その初期のメッセージの一つがローマ人への手紙であった。数年間にわたるローマ人への手紙の講解説教によって、教会員の信仰が深められたのを忘れることはできない。

       その講解説教は教会の成長に大きな影響を与えたすばらしい説教ではあったが、当時はまだはっきりした改革派の契約神学と千年王国後説に立つ神学基準が確立されていなかった。約15年経った今日、神学的立場および地域教会としてのビジョンが一層明確にされ、世界のあらゆる困難な問題が吹き出ているこの二十世紀末から二十一世紀の始まりの時にあって、再びローマ人への手紙の講解説教が与えられる意義は測り知れないほどに深く、大きな心の飢え渇きをもってこの書簡の教えを心に刻みたいと願っている。第一世代の私たちだけではなく、私たちの次の世代、またその次の世代へと、この御言葉の教えが資産となることを願ってやまない。

       スミス牧師は、残された人生の中で、ローマ人への手紙の説教はこれが最後だという認識をもって説教に臨むと冒頭で述べているが、今から5〜6年かけて取り次がれることになるであろうこのローマ人への手紙の講解説教が、教会の資産として千代までも実を結ぶものとなり、単立三鷹福音教会の成長のためにとどまらず、すべてのクリスチャンにとって祝福となり、聖書の学びの助けとなり、親達にとってはクリスチャンの次世代教育のための教材となり、福音を宣べ伝える者の友となり、すべてのクリスチャンの資産となることを祈っている。確かにローマ人への手紙は、旧約聖書と新約聖書を結ぶ役目を果たす書簡であり、聖書全体を理解するための鍵である。この書を学ぶことによって、聖書に目覚め、神学に目覚め、使命感に奮い立って、主の御国とその義とを本当に第一に求める人々が多く起こされることを祈ってやまない。御言葉に教えられて成長した神の子供たちが、この世に対してはっきりと影響を与える者となることを心から祈りつつ、説教の文書化の務めを果たしたい。そういう意味で、これが神学書としてではなく、毎週の礼拝のメッセージとして、子供にも理解できる言葉で与えられるのは実に大きな恵みであると思う。その考えに基づいて編集したので、説教の中で何度も繰り返されて語られていることもそのままにした。なぜならば、私たちはみな心の鈍い者であり、御霊が繰り返し同じ真理を語ってくれなければ、なかなかそれを心に刻むことができず、ましてやそれに従った生活はできないものだからである。

       スミス牧師は、自らの手で毎週のメッセージを主要なポイントに要約して週報を執筆している。それはメッセージを更に深くとらえて理解するためには注目すべき内容が簡潔な文書に要約されていて、日曜日のメッセージを補足するものである。それ故、本書では礼拝のメッセージに翌週の週報を織り込んで編集することにした。読者がより豊かにローマ人への手紙の御言葉の理解を深めて心に刻むためである。目を開いて見よ。収穫は多いが、働き人は少ない。いざ立ち上がれ、主に愛されている主のしもべたち。主の御前に来たれ。あなたの心を開いて主の御言葉から知恵と力を得よ。そして、主に仕えよ。ともに神の民としての成長を求め、神の栄光を求めて、ともに主に仕えよう。

       私たちの三鷹福音教会では毎週聖餐式を守っている。聖餐式は礼拝の中心であると考え、聖餐式において神との契約を新たにし、神の御国とその義を第一に求める生活を送ることを誓い、その誓いを守ることができるように神の守りと助けを求めるのである。それで、御言葉の解き明かしによって心の取り扱いを受け、悔い改めと感謝をもって神が招いてくださる食卓に共にあずかるのである。すべての読者が、聖餐式の意味を深く覚えることができるように、この説教集では毎週の説教に続く聖餐式の初めの部分をもそのままメッセージの一部分として書き留めることにした。神ご自身との親しい交わりのうちにローマ人への手紙の学びが一層祝福されるためである。願わくは、主イエス・キリストにあるすべての兄弟姉妹、すべての地域教会のうえに、御父、御子、御霊の恵みと祝福と力が豊かに与えられんことを祈る。

     

    単立三鷹福音教会長老  塩光 明

    1998年6月14日


    序文

       パウロがこの手紙を書いたのは、おそらく彼の三度目の伝道旅行の際にコリントの町で三箇月滞在した時のことであったと思われる(使徒行伝20章2-3節)。パウロは、エルサレムにいるクリスチャンを助けるための献金を集め終えてから、ローマ滞在(使徒行伝19章21節)を含むスペインへの伝道旅行に行こうと計画していた。それで、この手紙には、ローマを訪れるための備えの意味もあった。しかし、パウロがこの手紙を書いた目的は、単に訪問の意思を伝えるためだけではなかったのは明らかである。おそらく、当時のローマ教会の状況、そして異邦人に福音を伝えるために召された彼の使徒としての立場、少なくともその二つの事が、彼の宣べ伝えている福音に対してある程度詳しい説明を促すものとなったと思われる。

       それ故、この手紙は、他の異邦人の教会にとっても確かな助けとなる体系的な福音の綱要を呈するものとなっている。当時のローマの教会の中にはユダヤ教的な要素が強かったことは容易に想像できるが、9章〜11章および旧約聖書を引用している多くの箇所においてそのことは明らかにされている。論争を好むという面もあるが、ローマの教会には恐らく「反パウロ」派とか、少なくともその影響が少し入り込んでいたようである。以上のようなやや込み入った目的をもって、パウロは、最も体系的で詳しい、かつ論理的な福音の説明を私たちのために書き残したのである。

       ローマ人への手紙の講解説教は、私個人にとっても深い意味があるし、教会にとっても大切な意味がある。教会が成長して、次の成長段階に入る今、そして紀元二千年を跨ぐこの時期に、再びローマ人への手紙を学ぶことにはとても大切な意味があると思う。昔から、ローマ人への手紙は「福音の鍵」、または「聖書全体を解く鍵」とさえ呼ばれてきた。それは、福音の論理的構造を明らかにするのみならず、新しい契約と古い契約との関係について根本的な問いに詳しく答えているからである。父親たちや母親たちが次世代を担う子供たちによく御言葉を教えることができるようになるために、父親たちや母親たちがローマ人への手紙の教えを深く学び、それを心に刻むことはとても大切なことである。若いクリスチャンが増えて、ローマ人への手紙を深く学んだことのない人達が多くなっているので、そのためにもこの時期にローマ人への手紙を深く学ぶことは大切である。神学的理解と信仰を深め、そして聖書全体の理解の土台を築くために、これは非常に大切な学びである。既に何度もローマ人への手紙を学んだ年配のクリスチャンにとっても、この学びは大きな慰めと励みになると思う。

       今から、ローマ人への手紙をゆっくりと時間をかけて、十分に深く学びたいと考えている。五年、六年、或はそれ以上かかっても構わない。しっかりこの書を学んで心に刻みたいと思う。ローマ人への手紙を深く学んで、この土台に立って聖書全体を更によく理解できるようになるために、一緒に心を尽くして学びたい。そのためにも、皆が、日曜礼拝の説教のために、今まで以上に熱心に祈っていただきたいと思う。おそらく、今回のローマ人への手紙の説教は、私が生きている間の最後の説教となるであろう。何年もかけてこのローマ人への手紙の講解説教を行なう機会は二度とないであろう。それで、今度こそ、良い学びをしたいと願っている。この学びが、教会にとって、続けて祝福となる、そして信仰の土台となる、長く残る実を結ぶものとなることを願ってやまない。週報もぜひ保管しておいて、5年後或は6年後には、それが簡単なローマ人への手紙の注解書になって、私たちの成長の糧となり、また次世代を教えるための有益な教材として用いられることを私は願っている。   

               

    単立三鷹福音教会牧師  ラルフ・A・スミス

    1998年6月7日

     


    著 ラルフ・A・スミス師
    編集 塩光明長老
    著者へのコメント:shiomitsu@berith.com
     
     
    新約聖書ローマ人への手紙 1章

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